(今更ながら)抗TNF剤と癌について
前々から「抗TNF剤を使用すると癌や感染症へのリスクが高まるらしい」ということは言われていました。それが最近、新たなデータがでたそうで、それがCNNでもニュースとしてながされていました。

(いろいろな掲示板でも既に話題になっていますが)「ヒュミラ、もしくはレミケイドを使用したリウマチ患者」と「抗TNF剤を使用しないリウマチ患者(プラシーボ)」との間で癌の罹患率と感染率のデータをとってみたところ、明らかに抗TNF剤を使用した患者の間で(抗TNF剤を使用しないリウマチ患者よりも)それらのリスクが高くなっていた(癌罹患率は約3倍、感染率は2倍増し)、との結果がでたそうです。

また、今まではリウマチ患者の絡みで癌というと、リンパ腫系のものが注目されていましたが、今回のデータから、それだけに限らず「皮膚癌」「胃腸系の癌」「乳癌」「肺癌」などの多種にわたる癌にも関与しているらしいことが分かったそうです。



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それで気になる癌罹患についてですが・・・上記のような結果はでたものの、癌を発病した人達と言うのは率的には極々少数であるということと、抗TNF剤を使用することにより、リスクを上回る効果がリウマチ患者にもたらされているということで、リスクを警戒するあまり、抗TNF剤の使用を断念する、という必要はなく、異常・異変に注意を払いつつ使用していくことが薦められていました。

発癌・感染リスクが深刻な問題へと発展しないよう、「体重減少、発熱、原因不明の発疹、リンパ腺の腫れ、咳、排尿時の焼けるような痛み」といった症状には充分注意し、これらが起こったら即、病院にかかるように、そして必要があるようならば癌検査も受けるように、と呼びかけられていました。

その他、抗TNF剤を規定以上に使用している人達にこれらのリスクが上がっていたそうなので、規定以上の使用には要注意、ということも言われていました。(日本では規定以上使うことは滅多にないかと思いますが、アメリカでは炎症をコントロールできない場合、投与間隔を狭めたり、投与量を多くしたり、ということをよく行っているのです。)

さらに補足ですがアメリカでは、抗TNF剤と同じようにリスクが高いかもしれないと言われているMTXを抗TNF剤と併用するケースが多く、しかもそのMTXの量は軽く日本の上限を超えている為、日本人としての癌罹患率、感染率のリスクというのは、(日本人特有の体質が抗TNF剤使用により悪い方向に反応する、ということがない限り)アメリカで言われている程は高くは無いのかもしれません。

ところで、エンブレルはレミ、ヒュミラとはTNFへのアプローチの仕方が違う為に、今回のリサーチには含まれなかったそうですが、それは「エンブレルは安全!」ということではなくて、同じようなリスクがあることが予想される為、その辺のところは誤解のないように、と但し書きがされていました。


最後に発癌リスクについてですが、このデータだけでは「抗TNF剤における発癌のリスクについて」の結論をだすのに充分な資料とは言えないので、今後もさらなるリサーチが必要、と締めくくれらていました。

リウマチ患者への癌のリスクは、、、私達がリウマチ患者であるだけで健康な人よりも高いらしいし、MTXの服用もリスクがあると言われているし、また、リウマチの炎症の激しさ、そしてそのコントロールが上手くいかない患者にもリスクの高いことが言われていて、、、一体、抗TNF剤使用により単独でリスクが上がっているのか、それともリウマチという疾患自体の問題なのか、他の薬によるものなのか、これら全ての絡みによるものなのか、、、見分けるのがとても難しいような気がします。

特に抗TNF剤を規定以上に使用していた患者というのは、過去に相当な量のMTXを使っていただろうし、データ採取当時も抗TNF剤と合わせてかなりの量のMTXを使っていた可能性が高いし、しかも、規定以上の抗TNF剤を使用するということは炎症のコントロールに苦戦している人達ということで免疫システム異常の部分も絡んでいそうで、ややこしそう。。。


・・・というわけで(?)、今後のリサーチでこれらのことが明らかになるでしょうか(どうでしょうか)、、、期待がかかります。


上記以外のリスクに関する記事(英語)
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by racity | 2006-05-28 00:07
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