リウマチセミナー
=はじめに=

これをご覧になる皆様へ

これは、あくまでもアメリカでの話です。(しかも一セミナーからの話です。)日本人に適応するかどうかは分りません。しかも素人の私が補足を入れた部分もところどころあるので、この内容が正しいかどうかは保証出来ません。

この情報がもとで生じた問題にRA CITYと情報提供者・けんけんは一切、責任を負いません。

このセミナーの内容に限らないですが、ネットでの情報というのはあくまで参考としてとらえて、決して鵜呑みにしないでください。なにか質問がある場合は必ずご自分の主治医に相談されることをおすすめします。

これらを了承の上、どうぞ先へおすすみ下さい。




※下線はRA CITYの「リウマチャーの用語集」または「リウマチャーのお薬2」へのリンクです



===リウマチセミナー===

2004年10月、けんけんはアメリカのArthritis Foundation(日本で言うリウマチ友の会のようなもの。日本と違うのはリウマチに限らず、広く関節炎患者を対象にしているサポートグループ)主催のセミナーに出席してきました。
構成はセッション1から3まで。途中、昼食休憩をとりながら「女性と健康」というタイトルの講演会をはさみ、朝10時から午後3時くらいまで行われました。


=セッション1=


セッション1にあたる午前中の部は「SLE(全身性エリテマトーデス)」「RA(リウマチ)」、「変形性関節症」、「骨粗鬆症」、「線維筋痛症」の中から興味のあるものを一つ選び、専門医からその病気についての話を聞く、というものでした。

もちろん私はRA(リウマチ)を選択。とある総合病院に勤めているリウマチ医が話をしてくれました。


<絶滅寸前、リウマチ医!?>

セッションの最初の話は上のタイトルからスタート。「リウマチ患者数が増加傾向にあるのに反比例し、リウマチ医は減少傾向にあり、これからは医者一人がかかえる患者数がメチャメチャ多くなっちゃうよ!」というお話。アメリカはこれが少々問題になりつつあり、以前、こちらの友の会の雑誌にも話題にあがっていましたが・・・(これは、リウマチ医もいろいろ大変なのよぉ・・・ということを患者に理解してもらいたかった、ということなんでしょうか、先生!?)・・・かなり一生懸命説明されてました。


話がちょっと横道にそれますが、リウマチ医が少ない為なのか、それともこちらの医療システムの問題なのか・・・とにかく、こちらでリウマチ医と会おうとしてもなかなか会えません。初診の時なんて1、2ヵ月先はざら。人気のある先生だと半年ほど待たされたりすることもあるとか。もともと初診は特別な時間枠(通常のアポより長めの時間設定がしてある)があるのでアポがとりづらいものなのですが、通常(通院)のアポでも「1ヵ月後に予約入れて下さい」と先生から言われながら、そんなのおもいっきり無理な状態で、大抵アポがとれるのは早くて2、3ヵ月先になってしまいます。

だからこちらで発病する人はリウマチ医に会えるまでが大変かもしれません。もし、これをご覧の方でアメリカで発病され、あまりの症状の強さに耐えられず、一刻も早くリウマチ医とアポをとりたい場合は、病院のウェイティングリストに名前を残しておきつつ(病院によってはキャンセルがでた場合、そこに飛び込みでアポを入れてもらえる)、ご自分のホームドクターに相談してみてください。ホームドクターが直接、リウマチ医にかけあってくれるかもしれません。そうすると、特別に勤務時間以外にアポを入れてくれたりする場合もあるようです。

・・・話がそれましたが、とにかく、この話の後に、やっと本題の病気に関しての話に入りました。



<骨のリスク>

リウマチ患者はプレドニゾロンステロイド薬・corticosteroid)を摂っていなくても病気そのものにより骨粗鬆症のリスクがあるのでカルシウムを積極的に摂取するように(服用可能な人はカルシウム剤を服用するように)、とのことです。

ステロイド服用者はそのリスクが更に高まるわけで、骨密度のチェックは大切、骨が薄くなっていっているようならその為の対策(カルシウム剤や骨粗鬆症の薬を服用するなど)をとっていくように、とのことでした。



抗サイトカイン剤を使用前に注意すること>

今とてもポピュラーな治療薬の抗サイトカイン治療ですが、この治療をスタートさせる前に必ず確認しておかなければいけないことや注意事項が下記の通りです。

・結核検査を受けておくこと・

・神経症状がある患者の使用は要注意・

エンブレル(Enbrel)、ヒュミラ(Humira)、レミケード(Remicade)はTNF-αの働きを抑えて(もしくは発生する炎症サイトカインを吸収して)リウマチの炎症をコントロールする抗サイトカイン剤ですが、このTNF―αというのは私達の神経系統の回復に大きな役割を担っています。だから抗TNF―α剤を使用するということは、この働きを抑えてしまうということで、神経系の病気、例えばMSなど(MSは日本語で「多発性硬化症」といいます。簡単に説明すると、リウマチは骨が破壊される病気ですが、多発性硬化症は神経が破壊される免疫異常の病気です。)を患っている場合、この病気を活性化・悪化させてしてしまうことになるので使わないように、とのことです。

ちなみに健康で神経系の病気がない人でも、抗TNF―α剤を使用することにより、身体に痺れが感じられたり、視覚に異常がでたり、排尿障害が起きる場合があるそうです。神経系の症状に気づかれたなら即、ドクターに相談されることをお勧めします。


・癌を患っている人はドクターと要相談・

TNFというのは腫瘍壊死因子を指しているので、抗TNF―α剤を使用するということは、この働きをにぶらせることになり、腫瘍がある場合にこれを悪化させます。

そして最近、抗サイトカイン使用者と健康な人を比べると、前者に発ガン率の高いことが指摘されています。但し、これはMTX(=メトトレキサート・methotrexate )服用者にも言えることだし、なによりリウマチ患者自身、ホジキン病などのリンパ系癌を発病する可能性が高いので、今の段階ではMTXや抗サイトカインの薬が問題なのか、リウマチ患者自身の問題なのか分っておらず、熱く議論がかわされています。



<Anti CCP>

Anti CCPという血液検査は初期の診断の助けになると同時に、RAの方向性も予測できる可能性があると先生は説明していました。RAの方向性が予測出来るなんて素晴らしい!と思ったのですが、よくよく聞いてみると、治療が上手くいけば、この値も正常値へと移行するとのことで、つまり日本のMMP-3と同じ?ようなもののようです。だからRA患者の方向性が分る、というよりは、今現在の炎症の激しさが分る、とかいう感じになるのかな。

将来、セロネガティヴRA(血液検査結果にあらわれないリウマチ患者)の治療の際に活用されるかもしれませんが、今はとにかくコストが高く、よっぽど親切か、お金に余裕があるか、もしくは何かのデータを集めているリウマチ医以外は検査してくれないでしょう。

*ちなみにこの検査項目もシロにでてしまうリウマチ患者もいるそうです。(10~20%くらいだったかな?)



<薬の投薬方法・・・この医師の場合>

実際にリウマチ患者に対して、薬をどんなふうに処方していくか・・・この医師は患者への投薬をこんなふうに行なっているそうです。

始めはアザルフィジン(Azulfidine)からスタート。
3ヵ月様子をみて効きがいまいちだったり、もしくは病気の勢いが強くて様子をみている余裕がないようなら、アザルフィジンの他に抗マラリア薬(Plaquenil)や通常量(15mg前後)のMTXを追加していく。効果が現れない場合、更にMTXを20~25mgまで増量し様子をみる。
MTXを25mgに引き上げると、大抵の人には効果があるそうです。しかも大きな副作用もさほどなく、使っていけるのだそうです。

アザルフィジン、MTX、抗マラリア薬を使う、3種混合療法は副作用の率を低く抑えつつ、効果を最大限に引き出せるというので非常に効果的な治療なのだそうです。なぜ副作用の率が低くなるかというと・・・それは3種それぞれの薬を少量ずつ服用する(・・・と言っても、日本の方にしてみれば、ちっとも少量ではないんですが(笑)。薬は一種類のみを効果がでるまで最大限に使用すると副作用がでやすい傾向にあるので。但し、この混合療法、副作用がでた場合、どれから来ているのか分からなくなる、という問題もでてくるかもしれませんが。)ということで、そう言われています。

それで、これでも効果があらわれない人や、もしくはMTXがなんらかの事情で使えない人に抗サイトカイン剤を薦めるそうです。


この医師の治療方針はこちらではスタンダードなもので(ネットやリウマチ本等でよくみかける)、私の主治医もほぼ同じ治療方針です。炎症の程度によってはアザルからではなく、MTXからスタートしていったりもします。

そしてふたりがふたりとも、MTXと抗サイトカインの効果はほとんど違いがないことを言っています。極わずか効果の面で抗サイトカインに軍パイが上がるかもしれませんが、抗サイトカインの長期の副作用のデータがでていないことを考えると、MTXの方が安心且つ効果的に使えるということです。

ちなみに抗サイトカインと同じ効果を得る為に、MTXをどれくらい服用するかというと、上でセミナーのドクターがあげたように25mgまで服用すると、こういう結果に至るのだそうです。

このMTXと抗サイトカインの効き目に関するリポートは、ある審査の厳しい科学論文誌に掲載された、ということもあり、これがアメリカでの(もしくは私の州というべきか?)主流のようです。

「MTX25mg」対「抗サイトカイン剤」、一体どちらが日本人の私にとって安全&効果的なのか、とても興味深いところです。


<質疑応答タイム>

医師からの説明が終わったところで、質疑応答タイムになりました。
皆さんの質問は保険の話や障害手帳の交付の質問などやこちらでの薬(日本では認可されていない)の質問なので省略します。


=昼食=

セッション1が終わった後はランチタイム。

食事しながら「女性と健康」というテーマの講演会になりました。女性は身体の変化が著しいので節目節目で体調に気を付けていく、偏りない食生活、適度な運動、ストレスを溜めないような生活、充分な睡眠、などなどアドヴァイスを受けました。


===午後のセッション===

午後のセッション2&3は「薬物以外の療法」「痛みのコントロール法」「体重コントロール法」「関節手術についての説明」の中から二つ、興味あるものを選んで参加します。(セッション2、3は全く同じ内容の講演がそのまま繰り返されるので、これらの講演の中から好きなものを2つ選べるのです。)

私はセッション2で、「痛みのコントロール方法」を、セッション3で「薬物以外の療法」を選択しました。


=セッション2=

講演主は彼女自身もリウマチ患者で数年、ボランティアとしてAF(アメリカの関節炎患者・友の会)で活動された後、自立し、メディカルスタッフ・相談員としての仕事に就かれた方でした。

<痛みのサイクル>

病気になり、痛みが起ると→それがストレスになり不安をかかえ→感情のコントロールが難しくなり→鬱傾向がで→疲労の原因になり→更に痛みが増す→そしてそれがストレスになり・・・という痛みのサイクルが起こり、この輪から抜け出せなくなってきます。

そこでこのサイクルを打ち破る方法として

・ ポジティヴ志向でいく。もしくは周囲にポジティヴ志向の人を見つけ、一緒に過ごすようにする。

・ 痛みが起る場合は身体からの注意信号と受けとめ、自分の行動を見直す(無理をしていないかどか)。無理をしているようなら、ペースダウンを心掛け、身体と心に休息を与えるようにする。

・ エクササイズを日常的に行なう。これによって身体の機能を保ちつつ、endorphin(エンドルフィン:脳に自然発生するポリペプチドの一種:鎮痛作用がある)の活性化に努める。

・ 関節保護の為、自助具を積極的に活用するようにする。

・ 患部の温めと冷やしの効能を利用する。冷やすことにより腫れを引かせることが出来、温めることにより筋肉をリラックスさせ身体の循環をよくさせる。自分の状態によりどちらが効果的か見極める。

・ よい休息と睡眠を心がける。昼寝をする場合は夜の睡眠の妨げにならない程度に。

・ マッサージを行い、筋肉と関節をリラックスさせる。(本人の状態により行なうかどうか判断すること。)

・ 大きく呼吸をし、リラクゼイションをはかる。これにより心身を落ち着けることができる。

・ 人によっては鍼治療で痛みの緩和をはかれる場合もあるかもしれない。必ず主治医に相談してから始めるように。

・ 現在、消炎症鎮痛剤、ステロイド、抗リウマチ薬等、色々な治療の選択肢があるのだから、一つのものにこだわらず、どれが自分にあう治療なのかを主治医と協力し合って見つけていく。


といことを挙げていました。

ところでストレスですが、これには良いストレスと悪いストレスとがあるそうです。新しい物事にトライしようとする時、少しの戸惑いと大きな挑戦や期待感からドキドキして気持ちが平静でいられない状態も、ある種のストレス状態にあるということですが、このストレスは良いストレスにあたるのだそうです。

では悪いストレスというのはどういうものかというと、心配事が続き、一日中気が重く、夜も眠れない状態を指すのだそうです。この悪いストレスを極力避けるように。もしくはこういう状態になってしまったらこれを解消していくようにすることが大切だと、彼女は言っていました。

こちらのリウマチ本には必ず「心と身体の繋がり」が挙げられています。大きなテーマなのでこの部分はいつか時間に余裕ができた時に、またお知らせできればと思いますが、一言だけいうと、心が強くて健康であれば、病気にかからない、とか病気が治る、という極端なものではありません。
それからセッション3についてですが、今、時間がなくまとめられていません。これまたいつか、時間が出来た時にでもお話できたらと思います。中途半端ですが、以上、セミナーの内容でした。
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by racity | 2005-02-26 16:32 | リウマチ
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